【検証・テスト】境界値分析について

【検証・テスト】境界値分析について

2025.08.1 第三者検証・ソフトウェアテスト

8月に入り、猛暑が続く中台風も襲来するなど天気が不安定な日もありますが、
時折吹く涼しい風に癒されています。皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、今回は前回ご紹介した同値分割法に続いて、
テスト検証で重要な技法のひとつである「境界値分析」についてご紹介します。
ソフトウェア開発において、品質の高い製品をリリースするためには徹底したテストが不可欠です。
その中でも、「境界値分析」は非常に効果的なテスト技法の一つであり、効率的に不具合を見つけ出すために広く活用されています。

■境界値分析とは?

境界値分析(Boundary Value Analysis, BVA)とは、入力値の境界である最小値と最大値、
それらの内外にある値をテストすることに焦点を当てたテスト技法です。
境界値が重要といわれるのは、ソフトウェアは境界値において不具合が発生しやすい傾向があるためです。

例えば、あるシステムで年齢を入力する欄があり、「20歳以上60歳以下」という制約があるとします。
この場合、テストすべき境界値は以下のようになります。

有効な境界値: 20歳、60歳
無効な境界値(境界値のすぐ外側): 19歳、61歳
これらの値は、プログラマーが条件分岐を記述する際に「以上」「以下」を「より大きい」「より小さい」と間違えたり、
オフバイワンエラー(1つずれるエラー)を起こしたりする可能性が高いポイントです。
境界値分析を行うことで、これらの潜在的なエラーを効率的に特定することができます。

■境界値分析のメリット

境界値分析を導入することには、以下のようなメリットがあります。

1.すべての入力値を網羅的にテストすることは現実的ではありません。境界値に焦点を当てることで、
テストケースの数を大幅に削減しながら、高いカバレッジ(網羅率)を確保できます。
2. 多くの不具合は境界値付近で発生するため、この技法を用いることで、効率的に問題を発見できます。
3. どのような値をテストすべきか明確になるため、テスト計画の策定が容易になります。

■境界値分析の実践例

では、もう少し具体的な例で境界値分析を考えてみます。

例1:数値入力フィールド
あるECサイトで、購入できる商品の数量が「1個以上10個以下」と定められているとします。

有効な境界値: 1、10
無効な境界値: 0、11
さらに、もしシステムが小数点を許容する場合(例:1.5個など)、その挙動も確認する必要がありますが、
基本的には整数値を対象とすることが多いです。

例2:文字列入力フィールド
ユーザー名の入力欄で、「3文字以上20文字以下」という制約があるとします。

有効な境界値: 3文字の文字列、20文字の文字列
無効な境界値: 2文字の文字列、21文字の文字列
空白文字や特殊文字など、具体的な文字列の組み合わせも考慮に入れると、より堅牢なテストが可能です。

■弊社における境界値分析の活用

私たちアイ・ムーヴでは、お客様に高品質なソフトウェアを提供するために、
開発プロセス全体を通じて境界値分析を積極的に活用しています。

過去に「合計が100個以上時にエラーが表示される」内容の検証を行ったのですが、
ここで境界値を「0個」「1個」「99個」「100個」「101個」に絞ってテストを実施したことで、
羅性を保ちつつも無駄なテストケースを削減でき、検証作業を非常に効率的に進めることができました。

境界値分析は、ソフトウェアテストの基本でありながら、非常に強力な手法です。
この技法を適切に活用することで、開発コストを抑えつつ、ユーザーに信頼性の高いソフトウェアを提供することができます。
私たちアイ・ムーヴは、今後も境界値分析をはじめとする効果的なテスト手法を駆使し、お客様のビジネスの成功に貢献してまいります。

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