【検証・テスト】第三者検証に欠かせない「テスト仕様書」について

【検証・テスト】第三者検証に欠かせない「テスト仕様書」について

2025.09.5 第三者検証・ソフトウェアテスト

季節の変わり目、まだまだ厳しい暑さが続いていますが皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて今回ですが、第三者検証の品質保証の要ともいわれる「テスト仕様書」について紹介していきます。
システム開発において、正しく機能するものをユーザーに届けるためには「テスト」が欠かせません。
そして、そのテストを効率的かつ正確に行うために必要なのが「テスト仕様書」です。

本記事では、テスト仕様書の基本的な意味から目的・主な構成・作成時のポイントまでをわかりやすく解説します。

テスト仕様書とは

テスト仕様書とは、「どのような機能を、どんな条件で、どのようにテストするか」を記録した設計書のこと。
簡単に言えば、「テストの計画表」と「実行手順書」が一つになったドキュメントです。

開発者が確認するために使用する事はもちろん、特に開発チームと独立した立場でソフトウェア検証する第三者
(QAチームや外部ベンダーなど)がテストを担当する場合、非常に重要な役割を果たします。

テスト設計書とテスト仕様書の違い

テスト設計書は、テスト全体の方針や範囲、進め方をまとめた計画書です。

一方、テスト仕様書は、その設計書に基づき、具体的な機能ごとに「何をどうテストするか」を
詳しく記載した文書です。

つまり、テスト設計書は「テストの全体設計書」、テスト仕様書は「機能ごとの詳細テスト内容書」
という違いがあります。

テスト仕様書とテストケースの違い

テスト仕様書は、ソフトウェアやシステムに対して「何を、どのような観点でテストするか」を
まとめた設計文書です。

一方でテストケースは、そのテスト仕様書に記載された観点や条件に基づいて、
「具体的にどのようなテストを実施するか」を記載した実行手順の文書です。

つまり、テストケースはテスト仕様書の一部を具体化したものであり、テスト仕様書が
ベースとなって作成されます。

テスト仕様書の目的

テスト仕様書の目的は、テストの抜け漏れを防ぎ、効率的かつ正確な品質確認を行うことにあります。
仕様や画面単位でテスト観点を洗い出し、誰が見ても同じ手順で実行できるよう整理されている事が求められます。

特に第三者検証では、開発チームから独立した立場の人がテストを実施するため、仕様や内部の
構造を詳しく知らない事も多いです。
誤解を招くことがないように、具体的かつ明確なテスト仕様書が必要になります。

また、不具合が発生した際にも「どのケースで、どの手順で、どんな入力をして、どんな結果が出たのか」を
再現するためには、テスト仕様書の存在が不可欠です。

テスト仕様書の主な構成

テスト仕様書には、以下の項目が一般的に含まれます。

■テストID
→一意に識別するための番号の事です。(例:TC001)
■テスト対象
→どの画面や機能をテストするか(例:ログイン画面)
■テスト観点
→何を確認するかを記載する項目です。(例:正しい入力時の挙動、誤入力時のエラーメッセージ)
■テスト手順
→実際に行う操作手順を明記する項目です。(例:IDとパスワードを入力し、ログインボタンを押す)
■入力値
→使用するデータや条件を記載する項目です。(例:test@example.com/password123)
■期待結果
→正しく動作した際に、表示されるべき内容を記載します。
(例:ホーム画面に遷移する、テキストが入力できる 等)
■判定
→期待結果と実行結果が一致しているかどうかの判断を記載します。(例:OK/NG/保留)
■備考
→補足情報や例外条件などを記載します。

テスト仕様書の書き方のポイント

テスト仕様書を作成する際には、以下のポイントを意識することが大切です。

■誰が読んでも実行できる内容にする
→専門知識がない第三者でも迷わず操作できるように、具体的で簡潔な言葉を使います。
■期待結果は曖昧にしない
→「正しく表示される」ではなく、「〇〇という文字が画面中央に表示される」など明確に書きます。
■異常系・例外系も含める
→正常な動作だけでなく、間違った入力や操作に対する挙動を確認する事で、より実践的なテストになります。
例えば、「正しいIDとパスワードでログインできる」が正常な動作とした時に、
「誤ったID/パスワードではログインできない」も調べる等です。
■レビューを必ず行う
→第三者に渡す前に、チーム内でレビューしてテスト観点の漏れ・表現の曖昧さを確認します。

弊社におけるテスト仕様書の活用例

先日、あるクライアントへ提供する事となったシステムの検証を行いました。
システム全体の品質を確保するため、各機能のテスト観点を整理したテスト仕様書を作成し、
仕様書に基づく詳細なテストにより不具合の早期発見に繋げることができました。

また、クライアントの要望によりシステムへの追加改修があった際にも、
最初に作成したテスト仕様書をベースに対象範囲を見直し、追加テストケースを定義しました。
その結果、既存機能への影響を最小限に抑えて、品質を担保する事ができました。

このように、弊社では導入プロジェクトから運用フェーズでの改修対応まで、
テスト仕様書を中心に据えた品質管理体制を確立しています。
これにより、継続的な信頼性の提供に加え、長期的な顧客満足の向上に繋げられると考えています。

今後もより一層精進して参りますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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