【検証・テスト】シナリオテストとは?目的や書き方もご紹介

【検証・テスト】シナリオテストとは?目的や書き方もご紹介

2025.12.9 第三者検証・ソフトウェアテスト

冬の寒さが本格化する12月。何かと忙しい時期になりましたが、皆様、心穏やかに過ごせていますでしょうか。
さて今回は、検証のテスト手法の一つである「シナリオテスト」についてご紹介したいと思います。

シナリオテストとは?

シナリオテストとは、ユーザーが実際にサービスやアプリケーションを操作する状況を再現し、
機能の正しさや連携動作を確認する実践的な検証手法です。

単なる機能確認にとどまらず、複数の画面や機能が一連のフローで正しく動作するか、
ユーザーが満足できる操作体験を得られるかどうかまでを検証します。
この点で、単体テストや結合テストとは異なり、よりユーザー視点に立った品質確認が可能となります。

シナリオテストと結合テストの違い

結合テストとは、複数のプログラムやモジュールを組み合わせて、それらが正しく連携し、
データの受け渡しや処理の流れに問題がないかを確認するテストです。
開発の中盤で行われることが多く、
主に開発者やテスト担当者が機能間の結びつきが仕様どおりに動作しているかを検証します。

一方で、シナリオテストはユーザーが実際にシステムを利用する状況を想定し、
業務や操作の一連の流れが正しく動作するかを確認するテストです。
個々の機能を単体で検証するのではなく、
複数の機能を組み合わせた“使い方の流れ”を通し全体として問題がないかを確認します。

シナリオテストの目的や検証効果

以下が、シナリオテストの主な目的と検証効果です。

1.ユーザー体験(UX)の向上を図る

ユーザーが実際に操作する流れをテストすることで、
操作性や画面設計の課題を早期に発見できます。
直感的に使えるか、視認性に問題がないかなど、
UI/UXに関する検証を通じてユーザー満足度を高められます。

2.機能間の連携を網羅的に検証できる

例えば「ログイン → 商品検索 → 購入」という一連の流れが、
正常に完了するかどうかを確認するのがシナリオテストの強みです。
個別機能では見落とされがちな連携部分の不具合も見つけやすくなります。

3.潜在的な不具合をユーザー視点で発見

仕様書やテストケースだけでは気づきにくい操作中のストレスや、
不整合を実際のシナリオを通じて検出可能となります。
第三者検証では、ユーザーに近い視点でのテストが求められるため極めて有効です。

4.リリース後のトラブルを減らし、開発コストを削減

事前にユーザー行動を想定した検証を行うことで、リリース後のバグ対応や
ユーザークレームを大幅に削減できます。
これは結果的に、修正対応の工数削減=開発コスト削減につながります。

5.ユーザー満足度と製品信頼性を向上させる

品質の高いプロダクトは、顧客満足度の向上・リピート率アップ・ブランド価値向上をもたらします。
その基盤となるのが、ユーザー視点を重視した検証=シナリオテストとなります。

以上が、シナリオテストの目的と検証効果になります。

シナリオテストの書き方

シナリオテストの書く時のポイントを以下にまとめてみました。
気になる方はぜひチェックしてみてください。

1. テストの目的を明確にする

最初に、どの業務や利用場面を確認するのかを明確にします。
例えば「商品注文から出荷までの一連の流れが正しく処理されることを確認する」といった感じです。

2. 前提条件を記載する

テストを実施するための初期状態を記します。
例えば「ユーザーが登録済み」「商品Aの在庫が10個ある」等です。

3. シナリオ(利用場面)を設定する

実際のユーザー行動を時系列で想定します。
例えば「ユーザーがログイン → 商品を選択 → 購入 → 出荷通知を受け取る」等です。

4. 手順と期待結果を具体的に書く

操作手順の内容と、その結果どうなるべきかをステップごとに具体的に書きます。

No  操作内容        期待結果
1  ログイン画面を開く  ログイン画面が表示される
2  IDとパスワードを入力  マイページが表示される
3  商品Aをカートに追加  カートに商品Aが表示される

テスト実施時には、実際の結果と判定(○/×)を追記します。

5. 記述のポイント

シナリオテストを記述する時は、以下のポイントを意識することも大事です。

・ユーザー視点で書く(業務担当者でも理解できる内容にする)
・操作と結果を明確に分ける
・曖昧な表現を避ける(「正しく動作」ではなく「〇〇画面が表示」など具体的に)
・正常系・異常系の両方を考慮する

シナリオテストは「実際の利用シーンを想定し、システム全体が正しく連携して動作するかを確認するテスト」です。

書くときは 「目的」 →「前提条件」 →「シナリオ概要」→「手順と期待結果」→「実際結果」の流れで、
具体的・簡潔・ユーザー目線を意識して記述します。

弊社での「シナリオテスト」の活用例

弊社のシナリオテストは、お客様の運用を理解したうえで実施しています。
多角的な視点を取り入れたユーザー操作を検証することで、
操作性やユーザビリティに関する課題も早期に洗い出し、
現場で“本当に使える品質”へと仕上げています。

ユーザーが期待するであろう最新の傾向に照らし合わせて、
画面が期待通りに動作するかといったUI設計の視点も含めて検証することで、
システム全体のクオリティーに、どこまで貢献できるかも意識しています。

まとめ

第三者検証の現場では、仕様にとらわれすぎず、実際の使われ方を意識した検証が求められます。
そのため、シナリオテストは外部QAベンダー・品質保証チームにおいて、
非常に効果的な検証手法として重視されています。

シナリオテストは、単なる動作確認ではなく「ユーザー体験を保証するための重要な検証手法」です。
第三者検証の現場でも、開発チーム内でも、この手法を取り入れることで、
不具合の早期発見・ユーザー満足度向上・品質保証の強化が期待できます。

私たちも、検証業務を行う際には、常にユーザー視点を意識したシナリオテストを実施し、
信頼性の高い製品リリースと顧客満足の向上を目指しています。
シナリオテストを実施する際は、ぜひこちらの内容を参考にしてみてはいかがでしょうか。

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