【検証・テスト】探索的テストとは

【検証・テスト】探索的テストとは

2026.01.8 第三者検証・ソフトウェアテスト

1月に入り肌寒い日が毎日続きますね。
本年もお客様にご満足いただけるサービスの提供を目指し邁進してまいりますので、よろしくお願いいたします。

さて、今回は経験ベースのテスト技法として現代のソフトウェア開発においてその重要性が高まっている探索的テスト(Exploratory Testing)について、
その本質と導入の意義をご紹介したいと思います。

■経験ベーステスト技法とは何か?

経験ベースのテスト技法(Experience-Based Testing)とは、
テスターが持つ過去のプロジェクト経験、専門知識、システムに関する深い理解を最も重要な資源として活用するテストアプローチの総称です。
これらは、特定の仕様書や設計ドキュメントだけに依存するのではなく、
人間の知見と直感を駆使して、バグが存在しやすい場所やユーザーが躓きやすいシナリオを予測し、
効率的に欠陥を発見することを目的としています。

探索的テストは、この経験ベースの技法の中核をなすものとして位置づけられます。

■探索的テストとは何か?

探索的テストとは、事前に詳細なテストケース(手順書)を厳密に作成せず、
テスターがシステムを実際に操作し、その場で設計と実行、
そして学習を同時に行いながら問題を発見するテスト手法です。

一般的なテスト(スクリプトテスト)が、あらかじめ決められた手順書(チェックリスト)に忠実に従って実施されるのに対し、
探索的テストでは、テスター自身の豊富な経験、専門知識、そして鋭い直感を最大限に活かし、
自由かつ柔軟にシステムを操作しながら、バグやUI/UXの問題点を特定します。
これは、あたかもテスター自身が探検家のようにシステムという地図のない領域を巡り、潜在的な危険(欠陥)を探し出すイメージです。

この手法は、仕様書には書かれていない予期せぬ動作や、ユーザーが想定外の使い方をした際の問題点、
さらには設計者の盲点となっている部分を発見するのに特に有効であり、高い欠陥検出効率が期待できます。

■探索的テストの主な目的と導入のメリット

探索的テストを導入することで得られる具体的な目的とメリットは、
単なるバグの発見を超え、システムの総合的な品質とユーザー体験の向上に貢献します。

① 予測できない不具合の発見(リスクベースドなアプローチ)

一般的なテストケースは、事前に想定された「正常系」や「主要な異常系」のみを確認するため、
「想定外のバグ」を発見しにくいという課題があります。
探索的テストでは、テスターがシステム構造や最新の変更点を学習しつつ、
リスクが高いと思われる領域を重点的に、かつ即興でテストシナリオを組み立てて操作することで、
意図しない挙動や予期せぬクラッシュといった深刻なエラーを見つけやすくなります。
これにより、スクリプトテストでは見逃されがちな、深く隠れた欠陥を早期に洗い出すことができます。

② システムの直感的な使いやすさ(ユーザビリティ)の検証

システムが直感的に使いやすいか、操作が論理的であるかを確認することは、探索的テストの重要な目的の一つです。
テスターは単なる機能確認者ではなく、「実際のユーザー」の立場に立ってストレスなく操作できるかを評価します。
ボタンの配置、ナビゲーションの分かりやすさ、エラーメッセージの適切さなど、
細かいUI/UXの問題点を「違和感」として直感的に察知し、改善へとつなげます。

③ ユーザーのリアルな行動を想定した検証(リアリティの追求)

探索的テストでは、マニュアルにはない、リアルなユーザーの動作を想定しながらテストを実施できます。
事前に用意されたテストケースでは対応しきれない、
「実際のユーザーなら複数のウィンドウを同時に開いて操作するかもしれない」
「ログインとログアウトを短時間で繰り返すかもしれない」といった現実的な操作パターンに基づいた検証が可能です。
これにより、より実運用に近い環境での安定性を確保します。

④ 不正な操作や異常データによるエラー耐性の確認(堅牢性の検証)

ユーザーが意図せず行う誤った操作や、不適切なデータを入力した際に、システムがセキュリティ上の問題なく、
適切にエラーを処理し、安定して動作するかを確認します。
特に、入力フィールドの境界値、文字列の最大長を超える入力、特殊文字の利用など、
エラーハンドリングやセキュリティの観点から重要な検証ポイントを、テスターの判断で深く掘り下げることが可能です。

⑤ システムの安定性・パフォーマンスの検証

探索的テストを通じて、システムが短時間での連続操作や、
ある程度のデータ量・操作負荷に耐えられるかを確認することもできます。
テスターは意識的に負荷のかかる操作を繰り返し行い、
アプリケーションやWebシステムのレスポンス速度の低下やメモリリークの兆候を探ります。
これは簡易的な負荷テスト的な側面も持ち、システムの潜在的なボトルネックを発見するのに役立ちます。

⑥ 開発者や検証チームとの情報共有・フィードバック(チームの学習)

探索的テストのプロセスと結果を記録し、開発者や検証チームと共有することは、チーム全体の学習を促進し、
より良いシステム改善につなげることが目的の一つです。
テスターが直感的に感じた違和感や、細かいUXの問題点を具体的に言語化して伝えることで、
仕様の見直しや将来的な機能改善のための貴重なインプットを提供できます。
これは、開発とテストが一体となったアジャイルな品質向上サイクルを回す上で不可欠な要素です。

■弊社での「探索テスト」の活用例

弊社では探索的テストは、お客様の使い方を理解した上で活用しています。
過去の経験を基づきユーザー目線からバグ発生リスクが高い領域を集中してテストを実行しています。
また、以前紹介した同値分割法を併用して効率的なテストを行っています。
システムの不具合、隠れたリスク、あるいはUI/UXの課題を根本的に改善したいとお考えの方は、
ぜひ弊社の探索的テストを活用した検証サービスをご検討ください。

■まとめ

以上の通り、探索的テストの目的は、単にバグの数をカウントすることではなく、
ユーザーが快適かつ安全に利用できるシステムを実現することにあります。
事前に決められたテストケースでは発見が難しい、
人間的な直感や柔軟な思考が求められる問題を見つけ出すために、
テスターがその場の状況に応じて柔軟に操作し、
システムの隅々まで探索するアプローチが不可欠です。

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